Au Revoir Simone @ O-nest

ーボードと戯れるヴァージン・スーサイズ。
そんなキャッチコピーがピッタリの3人組でしたね、まさしく。

メイン・ヴォーカルが入れ替わり立ち代わりしながらも、一糸乱れぬ美しいコーラスワーク。もちろん本人たちも死ぬほど美しいわけだが、来日も4〜5回目とあってか、日本語MCがやたら饒舌でビックリ。楽器もキーボードだけでなく、ドラムマシンやシンバル、タンバリンなどで躍動感を添えつつも、“シャドウズ”のようなダークトーンのナンバーでは、エリカ・フォスターがベースを担当したりもする芸達者ぶり。ロングヘアー(最高!)という共通点以外、顔立ちも個性もまるで違うトリオが、本当に仲良さそうにジョークを飛ばしながら、哀愁たっぷりのフレーズを奏でたりするギャップもまたいいね。

バンド名やフォトジェニックな佇まいからして、おフランスの人たちかと思う者もいるだろうが、意外にも彼女たちの出自はNYのブルックリン。バトルスやブラック・ダイス、アニコレにMGMTなど前衛音楽集団の坩堝というイメージがすっかり定着したかの地ではあるが、こんな才色兼備なバンドが生まれる土壌もあるということか。懐が広いぜ。そもそもコンピアルバム『KITSUNE MAISON』や、フレンドリー・ファイヤーズの屈指の名曲“パリス”にコーラスで参加していることからも窺えるように、エレクトロニカからインディ・ダンスまで人脈は非常に幅広く、業界人からのラブコールも絶えないオ・ルヴォワール・シモーヌ。現にあのデヴィッド・リンチがフェイバリット・バンドとして名前を挙げているし、アニエス・ベーもいたくお気に入りのようで、今回の来日でも青山のショップイベントにDJとしてゲスト出演したらしい。

終演後、エントランスにてお客さんのサインや写真撮影に応えてくれたメンバーたち。とりわけ日本語が流暢だったアニー・ハートに、「なんでそんなに日本語が上手なのか?」と尋ねてみたところ、数年前から日本が好きで熱心に勉強していたらしい。うれしいこと言ってくれるじゃないの。僕もご多分に漏れずCDにサインを貰ったわけですが、なんと、エリカとヘザー・ディアンジェロ(響きがカッコイイな)は名前がカタカナ! 「エリカ」が「エリサ」になっているのはご愛嬌だが、好感度あがるわー。そろそろ<フジロック>あたりにも出演して、もっと爆発的に売れてくれてもいいんだけどね。その素質は充分すぎるほどにある。

それにしても、前座のGutevolkは音もVJも面白いし悪くなかったんだけど、ちょっと長過ぎたな(ただでさえ、開演が21:00前)。しかし、途中で出て来たダンサーの女の子が『Olive』系の森ガールな雰囲気で、屈託ない表情で踊りまくっていてすげえ可愛かった。つまり、音楽の印象があんまり残っていない……。しかし、調べてみたらこの西山豊乃(にしやまひろの)さんという女性、凄い方みたいですね。竹村延和にも詞を提供しているとは! 日本国内にも、まだまだ面白い音楽はごまんとありそうです。

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