ジュリアン速報

※31日(月)のGIGを予備知識なしで楽しみたい方は、読まない方がベター。

いうわけで、ジュリアン・カサブランカスの事実上、世界初出しとなるソロ・ライヴを拝むためだけに、行きたくもない某イベントに並んでインビテーションをゲットし、恵比寿のリキッドルームにて行われた<オープニング・セレモニー>のオープニング・パーティー(ややこしい)に潜入してきました。以下雑感。

●さすがに著名人多数。覚えているだけでも、ドン小西、クリス・ぺプラー、ショーン・レノン(!)、安田美沙子、新田桂一、花楓、マドモアゼル・・・etc。ほか、shimaスタッフなどスナップ常連組。クロエ・セヴィニーは一応来日はしているみたいだが、体調不良により不参加だとか。

●カワイコちゃん多数で目の保養バッチリ。

●DJの選曲が、ベルセバとかアニコレとかグリズリーなどインディー盛り沢山でグッド。

●4月に同会場で開催された、Sunn O)))とかISIS出演のイベントにてトップ・バッターで出演していたGrowingというバンドもパフォーマンスしていたけど、つまんなかった。

●で、ジュリアン。どうせ3曲もやってくれりゃいい方だろ、とタカをくくっていたらガッツリ7,8曲くらいプレイしてくれた。ソロ・アルバムの収録曲が8曲だけらしいので、単独はどう考えてもストロークスのナンバーやらないと間が持たないぞ。バック・バンドには噂のあったニックの参加は無かったが、ドラム、キーボード、ベース、ギターの男性メンバー4名に、紅一点のシャルロット・ゲンズブール風美女を加えた全6人編成。で、またこの美女がプチ・ドラムとギターを取っ替え引っ替えしながら、超アグレッシブな演奏をするもんだから、先日のジェニー・ルイスのバンドにも参加していたダニエル・ハイムちゃんを思い出した。ていうか、同一人物??

●そのジュリアン本人、またしてもグラサンは最後まで外さず、グレーのスキニーデニムと白Tシャツの上に、この動画のベストを羽織っておられました。右サイドの髪に、カッパー系のメッシュなんか入れちゃってたよ。思ったより痩せていなかった。音はめちゃくちゃだったけど、久しぶりのライヴ活動ということもあってか、ちゃんとやる気は感じられたので一安心。肝心のソロ・ナンバーですが、やはり予想通りというか、ストロークスでの“12:51”や“Ask Me Anything”、“Red Light”などのレトロ・スペクティヴな方向性をより進化させた、フューチャリスティックかつスペーシーかつドリーミンな仕上がり。これが良い方向で、母体の4thアルバムにもフィード・バックされると嬉しいのだが・・・。

●やはりジュリアン目当てが大半だったようで、その後のフロアはガラガラ。

そんな感じで、単独ではストロークスのナンバーとグラサン外しが無いと、オーディエンスの満足度は合格点に達しないんじゃないかなー。とはいっても、全世界渇望の新曲お披露目に(またしても)日本を選んでくれたことに感謝しないとね。まあ、悪くいえばいつも「試運転」なんだけど・・・。いい加減、まともなジャパン・ツアーを組んでほしいもんです。

P.S.
ライヴ後、すでに終電は無くなっていたものの、あまりの疎外感に堪えられず脱出。漫画喫茶でこのブログを書いているという悲しい事実には触れないでやってください(泣)。

Aimee Mann @ SHIBUYA-AX

と遅れましたが、およそ4年振りの来日となったAXでのエイミー・マンのライヴがそれはもう大変素晴らしかったです。グランド・ピアノやシンセ、弦楽器、ハイハットだけのドラム・セットなど、ステージに配置された楽器の多さに対して、意外にもエイミーの他は男性メンバー2名(どちらも芸達者)のみという、ミニマルかつアコースティックな編成。細身のデニムにストライプのジャケット、首もとにはスカーフ、そして知的さを漂わせるスクエア・フレームの眼鏡という出で立ちのエイミーは、その180cm前後の八頭身スタイルも手伝い、まるで大学の女性教師のよう。小走りでステージ袖から登場したチャーミングな姿も相まって、とても五十路目前とは思えません。ちょっとFF8のキスティス先生に似ていたかも(笑)。

開口一番、「今夜は、今までのB面曲やレコードに入っていないナンバーをやるわよ」と宣言した通り、『ロスト・イン・スペース』の限定盤にしか収録されていない“Nightmare Girl”を早くも2曲目で披露するなど、レア曲満載のセット・リスト。なんと、ニュー・アルバム『@#%&*! Smilers』からはたったの2曲しかプレイされなかった。とはいえ、『マグノリア』からもしっかりと“Save Me”や“Wise Up”といった馴染みの深い楽曲を挟んでくれたので、決して上級者向けには終わらない、アットホームな雰囲気が場内を包んでいたと思う。音源とは違った表情を見せる、秀逸なアレンジを施された名曲群にプロ意識を感じたし、ユーモアの効いたMCにはオーディエンスから笑みがこぼれる。ギターからベースに持ち替えた時のあの立ち振る舞いも、シビれるほどカッコいい。「2週間しか練習してないの」と弁明しつつも、彼女の吹くアルト・リコーダーはこれまた実に綺麗なハーモニーを奏でていた。そして何と言っても、あの「声」。気高さと温もりを纏った唯一無二のあの「声」が、音源以上の完璧なコンディションで表現されることに驚いたし、感動した。

先日の<フジ・ロック>の、ブライト・アイズによるアコースティック・セットを思い出したりもしたんだけど、メンバーがいつもと変わろうが、音圧が少なかろうが、ステージにその「人」がいるだけで、その「声」があるだけで、それはもう、どうやっても「そのアーティスト」のライブになってしまうのだなあ、と痛感。いくらトータスやバトルスのようにテクニカルなバンドであっても、誰か1人でもピースが欠けるだけで、著しく楽曲の再現度は下がるような気がする。しかし、シンガーソング・ライターの強みは、初めに「歌ありき」という点に尽きるのではないか。フル・バンド編成であっても、ソロ弾き語りであっても、楽曲の魅力が半減することはない。とりわけエイミー・マンは、キャリアもスキルも超一流のSSWである。最初はアコースティック仕様にとまどっていたオーディエンスも、終演後には大満足で会場を後にしたのではないだろうか。ティル・チューズデイ時代の“Voices Carry ”もやってくれたしね。世の女性は、エイミーの生き様と、あの素敵な歳の重ね方を勉強すべきです。男の俺でも憧れちゃうぜ。
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ダディーは世界一

『SHOWBIZ COUNTDOWN』にて、THE HANGOVER(日本公開中止ってどーゆーこと!?)と共に驚異的な連続トップ10入りを記録していたのも印象的な、リーアム・ニーソン主演の『96時間』(原題:TAKENを観ました。『24』シリーズのファンを呼び込もうと画策したのか(事実、ジャック・バウアーがナレーションの予告篇がある・・・)、原作へのリスペクトやボキャブラリーの欠片も無いファックな邦題を付けた関係者にはガッカリですが、それを差し置いても、破格にすんばらしい映画でした。もう手に汗握りっぱなし。

人身売買を生業とする組織に誘拐された愛娘を、元CIAの最強パパが自ら助けに行くというプロットに目新しさは感じられないものの、敏腕スタッフによる驚愕の編集力と構成力で、息をも付かせぬスリリングな映像に仕上がっています。主人公の立ち位置や能力、娘(あるいは元嫁とその再婚相手)との関係性、犯罪組織の存在などは、多くを語らずともコンパクトに観客に理解させることに成功。そのため、アクション・シーンや銃撃戦、カーチェイスなどド派手な演出と見せ場には予算も時間もたっぷり。特に、パリ市街地をアウディで逆走しまくるカーチェイス・シーンですが、先日観た『MW』の序盤で繰り広げられた、作り手のオナニーでしかない長くて単調だった爆走シーンとは好対象。これは、絶対に劇場で観なくてはならない作品と言えるでしょう。伏線をきっちりと回収したエンディングもお見事。

それにしても、マフィアの黒幕が、肥え太って禿げ散らかした下劣なジジイ(もちろんバス・ローブ)というステレオタイプな設定にはやや失笑するものの、娘が攫われた直後、犯人に電話越しで宣戦布告を突きつける緊迫のシーンは、今後、クライム・ムービーにおける語り種になるはず。シビれた。まあ、いくらなんでもあれだけ他所の国で暴れて、一般市民を巻き込んでおきながら、何のお咎めも無しというのは虫が良すぎますが(笑)。ていうか、パパ強過ぎ。本作を観賞後、あなたは、たったの90分しか時間が経過していなかったことにきっと驚くでしょう。それぐい濃密で、スピーディーで、かつシンプルに楽しめる久しぶりの良作です。余談ですが、スウェーデンのあのバンドの曲も爆音でかかりますよー。

C BY CHLOE

谷西武の「movida VIA BUS STOP」が閉店したわけですが、改装後に何のショップがテナントに入るかは当然、ご存知ですよね? そうだね、「OPENING CEREMONY(オープニング セレモニー)」だね。

本国アメリカでは、女優のクロエ・セヴィニーが同店とコラボしたブランド『クロエ・セヴィニー フォー オープニングセレモニー(Chloe Sevigny for Opening Ceremony)』の2009 A/Wが一足早く立ち上がったようです。これがまた、あれま、意外にシックでいい感じじゃないのー。



まあ、女の子のモデルが、めちゃんこタイプというのもあるのですが…。1着ぐらい購入してみたいものの、超絶Expensiveな価格設定らしいです…。このバリュー・ブランド全盛期にようやるぜ。ユニクロ×ジル・サンダーの「+J(プラスジェイ)」でさえも標準価格を抑えたというのに……。

とはいっても、10日後のグランド・オープンが楽しみだなー。クロエ来日しないかなー。というか、OPENING CEREMONYの「オープニング・セレモニー」のようなイベントは開催されるのでしょうか(笑)。 気になるぜ。

SUMMER SONIC 2009 【TOKYO DAY 1】前代未聞のゲリラ豪雨で、ゴリラと命からがらSurvivalism 編

「サマソニでは雨は降らない。濡れない」というジンクスが思いっきりぶち破られた初日の金曜日。初の3日間開催で失敗は許されないゆえか、平日だというのに嫌がらせの如く豪華メンツをねじ込んできたので、必殺の夏休みを1日消化させて頂きましたよ。とはいえ、ウキウキの<フジロック>とは違い足取りは重く。誰かが「サマソニは“フェス”じゃなくて“スタンプラリー”だよ」と発言していたのだが、言い得て妙だと思う。充分通える距離なんで、連日、ホテルも漫喫もキャンプ・エリアも使用せず自宅から海浜幕張まで3往復したわけですが、疲労感がハンパじゃないっす・・・。それじゃあ、張り切ってレジュメしていくんだぜ(アーティスト名の配色が各ステージのカラー)。

Red Light Company
超高額な通し券を買ってやってるというのに、「リストバンド引き換えがマリンのみ」というファックな高待遇のお陰で、オープニング・アクトのボウディーズには当然間に合わず。まだ観たいアクトがいないとはいえ、1発目から微妙なバンドだなー。

School Of Seven Bells
美人姉妹シリーズその1。音が悪すぎて、あの幽玄なハーモニーは一切拝聴できませんでした。もちろん、前の方でその美貌は拝みましたけどね。<メタモ>でプレフューズ73と共演してくれたら良かったのに。というか、そろそろ<ソニック・ステージ>にもスクリーン設置しておくれー。

The Big Pink
音楽はもちろん、ヘア・スタイルもファッションもステージ構成も、徹底的な「美学」に拘り抜かれていました。ジザメリにエレクトニックな要素をプラスして、今風にした感じ。

Kyte
紛れもない「シガーロス・チルドレン」。去年親の方を観ているだけに、いまいち。

Girl Talk
<マウンテン・ステージ>のケイティ・ペリーが急遽キャンセルということで、渋々覗きに行ってみたものの、これが超楽しい。のっけからステージには現地調達のダンサーが数十名踊り狂い、グレッグ本人も機材の上に乗っかって煽りまくり。MJからオフスプからレッチリからラモーンズまでなんでもかんでもマッシュアップして、えげつないほどに盛り上げてくれました。

65daysofstatic
実は初見なのだが、日本での評価って過剰すぎないか? 良くも悪くも「モグワイの短縮版」といった音楽性で、特に惹かれるものはなし。

Phoenix
大本命のジェニーちゃんは・・・単独公演まで取っておくことにして、フレンチ・ロックのフェニックスへ。流石に巧いなー。なんでも、翌日の大阪はメンバーの体調不良により1曲でキャンセルとなってしまったようだが、後々のカサビアンといい、ホルモンといい、<マウンテン>には新型ウィルスが蔓延していたのでは・・・みんな大丈夫か? かつてはスタッフ弁当で大量の食中毒被害を出した同フェス、出演者にまで危害が及ぶようでは、存続も危ないのでは。

Mercury Rev
バックのシアトリカルな映像といい、美声コーラスワークといい、楽曲の再現度と構成力が完璧過ぎ。ちょっと眠かったけど、“The Dark is Rising”の壮大なオーケストレーションは舌を巻くほど素晴らしかった。

Datarock
実は、3年以上前に某クラブ・イベントのゲストとして来日したステージを観ているが、満を持してサマソニに登場。お馴染みの赤ジャージで暴れまくっていて、楽しそう。

Nine Inch Nails
<ソニック>のミューは完全に捨てて、本日絶対に見逃せないNINのためにいざマリンへ。「トリのマイケミを喰ってやるかんね! 後悔しても知らないかんね!」と主催者に息巻いていたというトレント・レズナー、有言実行。気合も気迫も体格(ゴリラ並み)も演奏も、もはや別次元。壮絶なんてもんじゃない。アリーナに降りて観ていたのだが、“March Of The Pigs”のモッシュに巻き込まれた後、“The Frail”の静謐なピアノ・ソロに召還されたように、突如雷を伴ったゲリラ豪雨が会場を襲う。最後の東京ライヴかもしれないし、このまま残っていたかったのはマウンテンマウンテンなのだが、この日は深夜まで残るつもりなのにカッパも着替えも持っていないので、初日から風邪をひいては敵わんということで、あえなくスタンド席へ退散。出口は当然すし詰め状態で、ただでさえ使えないスタッフも困惑気味。しかし、皮肉にもこの雷雨のシチューションが素晴らしいのなんのって、天候までも演出に変えてしまったネ申トレント。<フジロック'05>のファットボーイ・スリム級だったんじゃないか、あれは。“Head Like A Hole”が無かったのは残念だが、期待を裏切らないどころか、予想の遥か斜め上を行く現役っぷりに大満足。ラストの“Hurt”は雨よりも骨身に沁みた。

MOGWAI
長蛇の列のシャトル・バスに揺られつつ、全力ダッシュで<ソニック>へ戻る。年明けの単独は<リキッドルーム>を選択したため聴けなかった“Mogwai Fear Satan”が、3曲目で早々と披露されたと聞いて歯軋り。とはいえ、“Batcat”は相変わらず凄かったー。ただ残念だったのが、<ソニック>と<ダンス>が思いっきり隣同士のため、ソウル・ワックスの音が被りまくり・・・。なぜ休憩エリアを間に挟まない? クロークもメッセからは排除されていたり(しかも時間限定)、スタッフの質も最低のまんまだし、10年もやっているというのに退化してどーすんだ。演奏終了後にすかさず出てくる知ったかぶりのクソ司会者どもも、余韻ぶちこわし。ちょっとは空気読めよ。やはり、モグたんは<フジ>か単独で観たいです。

Aphex Twin
緑色のカタカナ電子文字が、謎の警告メッセージを刻んでスタート。巨大な3面スクリーンの中央ブースに、リチャード本人がちゃんと姿を見せただけで安堵。トロフィーとか食器とか、意味不明のアイテムをエフェクトしまくっていた奇天烈VJをものともせず、意外にも歌モノや、ヒップホップ、ドリルンベース、自身の“Window Licker”に、レーベル・メイトのスクエアプッシャーまで、何でもありのごった煮ミックス。踊れそうで踊れない禁欲的な変態サウンドに棒立ちのオーディエンス多数だが、無理もない。お馴染みの、リチャのあの「不気味スマイル」が投影された時はみんな大喜びだったが、終盤の屠殺映像→事故映像→死体解剖映像→スカト□映像のコンビネーションには、女子連中引きまくりで痛快。大いに笑う。11月の<WARP 20>で、クリス・カニンガムとコラボしてくれたら死ねるんだけどなー。

 

ところで、この2つのロゴって似てるよね。

MIDNIGHT SONIC


ゆらゆら帝国
この日の<ソニック>で一番音が良く反響していた気がする(単純に、帰った客が大勢いて空いたからというのもある)。“学校へ行ってきます”って、冷静に歌詞を聴くと面白いね。

TRICKY
まさかの<サマソニ>出演。以前、盟友のマッシヴ・アタックが出演しているとはいえ、なぜこのタイミングで? 悲しいほどにガラガラでした。本人は相変わらず裸体でタトゥーを見せびらかしていて、頑張っていましたがね。

THA BLUE HERB
ボスかっこいいー・・・けど、もう駄目だ、寝る。

Y.Sunahara
まりんの貴重なライヴ! でも、やっぱり駄目だ、寝る。

というわけで、深夜に食した玉子×2個入りのラーメンで体力が回復することもなかったので、始発で一度帰宅。ついつい某掲示板でNINの評判を覗いていたりしたら、あっという間にAM8:00になってしまったため、シャワーを浴びて土曜編へ続く(キートン山田風に)。

TOGAとキム

い加減、BLESSのブレス(レット)が飽きてきたので、¥10,000以内でE感じのブレスを探していたのですが、職場から1分のTOGA HARAJUKU STOREに素敵な商品がありましたよ。


アンティークのベルトをリメイクしたすべて一点物のブレスで、直営店のみ限定販売のアイテムのようです。お値段の方も、¥5,000〜¥7,000前後となかなかリーズナブル。レディース・ブランドのためウェアーは一切着られないのですが、TOGAの世界観には昔から相当
インスパイアされているので、小物だけ身に付けるっていうのも、大いにアリではないかと。

いくつか試してみた上で、サイズ、柄(ちょっと和風の趣きも)ともにパーフェクトだったこちらの1点をお買い上げ。まあ、マテリアルとなったベルト1本から最低でも2〜3本はリメイクできるはずなので、被ってるデザインのブレスも何個かありましたけどね、ご愛嬌。


おNEWのお洋服やアクセを買うと、やはり気分がアガりますね。物欲マンセー。

で、TOGAといえば、先日リリースされたソニック・ユースの新作『THE ETERNAL』のスペシャルBOX SETにてTシャツを提供していたことをご存知のファンも多いはず。そのあたりをスタッフさんに突っ込んでみたところ、なんと、<サマソニ>東京公演の翌日にキム・ゴードンがお一人様で(他のメンバーは当然、レコ屋めぐり)来店したとか! ステージでもミニのワンピースを着用していた姐さんですが、こちらでもコレクション・ラインのワンピースをお買い上げ。あと4年で還暦とは思えない、唯一無二のロックンロール・ミューズっぷりだったようです。ついでにX -girlも視察したんでしょうか(笑)。

なにこれすごい

トルスのタイちゃんのソロがやばすぎる。



もう11月の<エレグラ>もバトルスじゃなくてソロでやってほしいぐらいだぜ!

FRF'09【7.26sun DAY 3】2名のハーバード大卒と、7つの単音リフでサニーJ・サービス 編

終日は、ベースメントまでは<グリーン>と<レッド>の出演アーティストがほとんどどうでも良かったので、前半はかなりまったりめ。早めに会場入りしてマスドレをちょっと観て、朝食。続く噂の韓国バンド、クライング・ナッツのどこのライヴ・ハウスですか? と言わんばかりのガラガラぶりに爆笑。その後、<ホワイト>のホーリー・ファックはもう捨てて最初の大本命、SSSCへ。お揃いのTシャツ&ナポレオン・ジャケットという組み合わせも然ることながら、スキンヘッドにレイバン着用というトム・モレロの御姿は、まるでマッカーサー元帥のよう。昨年の金曜<ホワイト>でギャラクティックのゲスト・ヴォーカルとしても参加していたブーツ・ライリーは、ザック・デ・ラ・ロッチャどの気迫は感じられないものの、かなりエッジの効いたライムが小気味良い。M.I.A.の“ペーパー・プレーン”というおいしいカヴァーもありつつ、クラウザーさんばりの「歯ギター」まで飛び出したモレロの変態ギター・テクに酔いしれる。終盤の、彼のアジテーションなMCもファッキン最高でした。ここで1ハーバード。

<キッズ・エリア>のかき氷を食べ歩きしながら、しばらく奥地での滞在を決め込む。<オレンジ>にて昨日のファナのリベンジを果たし、<ヘブン>のDachambo、<ホワイト>のエアボーン・トキシック・イベントを遠目に鑑賞。頭脳警察は一発目から“ボーン・トゥ・ビー・ワイルド”というダサさっぷりに辟易したか、ンパンだった一見さんと思しきオーディエンスがぞろぞろ移動を始める。で、再結成3度目? のライヴであるサニーデイ・サービス。ここでまさかの局地的豪雨。曽我部さんの声がヘロヘロでしたが、ギターの鳴りはかなり良かった。また<オレンジ>へとバックし、SOUL FLOWER UNIONのお祭り騒ぎを聞きながら、最果ての<カフェ・ド・パリ>や<ストーンド・サークル>まで足を伸ばし、レイドバックしながら写真撮影。<ヘヴン>にて、やっぱりあんまり好きになれないROVOを鑑賞しつつ、久しぶりの<ホワイト>へ。ここからは超・本気モードです。

自称「晴れ男」とのことで、三日月さえも呼び寄せた高橋幸宏のステージ。客演のコーネリアス小山田圭吾のほかにも、ドラマーが千住宗臣だったり、キーボードが売れっ子の堀江博久だったり、さすが元YMO! と感嘆を漏らさずにはいられない豪華絢爛な布陣。いつもの通りハット&眼鏡&チョビ髭という出で立ちのジェントルな高橋さんはもとより、辻川幸一郎ちっくのキュートなVJといい、アダルトで洒脱でアーティな世界観が、ひんやりとした空気の<ホワイト>にぴったりでした。ウラに特別観たいアクトもいないし、アニマル・コレクティヴは前方で拝みたかったので、椅子に座ってしばしその時を待つ。相変わらずディーケンが不在だったが、1年半ぶりの彼らは明らかに佇まいや風格が落ち着いていたように見えた。深海にいるかのような明度の低いライティングに照らされ、ニュー・アルバムの中でもとりわけポップなナンバーを中心に展開していく。じわりじわりと熱を帯びていった演奏が中盤に差し掛かり、もはや伝説となった長尺アレンジの“ファイヤーワークス”へ突入。PAとステージの間ど真ん中という絶好のポジションで、全身で音の洪水を浴びた所為か、脳味噌をぐっちゃぐちゃにかき混ぜられたような錯覚に陥る。圧倒的な多幸感と、底無しの祝祭感。どんなに賛辞の言葉を並べても足りないくらい、本当に本当に素晴らしかった。最終日の<ホワイト・ステージ>という魔力を持ったシチュエーションも大きく加担したはずだが、トップクラスのDJたちが3時間かけてオーディエンスを連れて行こうとする世界まで、アニコレはものの1時間とかからなかったのだ。もう野外でしか観たくないぜ。

もうお腹いっぱいと思いつつも、せっかくなんでウィーザーをチラ見するために<グリーン>まで足を伸ばしてみる。“ハッシュ・パイプ”のギター・リフに導かれるまま到着すると、昨年の単独公演時のマリオのような髭ファッションからはすっかり足を洗い、ナードなメガネくんスタイルに戻っていたリヴァース・クオモ。ここで2ハーバード。また一段と日本語が上手くなっていて、後日談だがレディー・ガガやブラーやホワイト・ストライプスのほかにも、日本のナショナル・アンセム“君が代”までカヴァーしたらしい。やりすぎ。ちょうど“パーフェクト・シチュエーション”や意外に良かった新曲を聴けたりしたので、心置きなく<ホワイト>へカムバック。巨大なラジカセのバック・フラッグを背後に、遂にこの<ホワイト>にて大トリを飾ることになったロイクソップ。「ホントニホントニホントニアリガトゴザイマース!!」と、超ハイ・テンションなトルビョルンにオーディエンスも若干引き気味。スヴェインのコスプレや女性ゲスト・ヴォーカルなんかも面白かったんだけど、前出のアニコレが良すぎたせいか、あまり入っていけず。ある程度のところで見切りをつけ、2009年度の<フジ・ロック>最後の大騒ぎをすべく集団で<グリーン>に向かう。ここ数年不発だったクロージング・アクトだが、今回は<グラスト>でも6万人以上を踊らせてきた最強のパーティー・バンド、ベースメント・ジャックスだ。悪くなるはずがない。で、結果、超・超・超・最高。初っぱなから“グッド・ラック”は反則でしょーに。入れ替わり立ち代わりのヴォーカルに、どんどん増えていくステージ登壇者。フェリックス自らヴォコーダー・ヴォイスでマイクを執った話題沸騰中のブランニュー・チューン、“レインドロップス”は、もはや今年を代表するアンセムとして恥じない出色の完成度。前出のウィーザーに対抗して? サックスで“セヴン・ネーション・アーミー”のリフをカヴァーしたりも。気付くと20名以上もの人間が踊り狂っているステージに負けじと、最後の体力を振り絞るフジロッカーたち。大団円とはこのことか。唯一無二で酒池肉林の、最強のダンス・レビューでござんした。大満足。

もはや絞り滓程度しかない体力で、惰性で観るつもりだった深夜<レッド>のサニーJはハイトーン・ヴォイスの黒人女性ヴォーカルが凄くて、ついつい小躍り。しかも、ここでも“セヴン・ネーション・アーミー”が使われていて、つくづく「2000年代最強のギター・リフ」なんだなーと痛感。その後は<パレス>にあるジョー・ストラマーのバスや、「世界で一番小さいナイトクラブ」などで遊んでみる。どいつもこいつも名残惜しそうだ。かくいう俺も、再び<レッド>に戻ったりして、卓球のDJに朝6:00まで付き合いました。4日間の合計睡眠時間、なんと12時間未満。さすがに身体が終了のお知らせ。最後の車中泊後、またしても雨の中でテント撤収を手伝い、苗場プリンスホテルに集合して(もちろん、ベンジーも)バスで都内まで帰宅。苗場の快適さが骨身に沁みる、下車後のうだるような湿気は忘れられない。そして、皆それぞれの現実へと帰還していくのであった……。来年も死んでも行きます。あ、みんなでカラオケBOXあたり借りて、巨大プロジェクターでフジのDVD鑑賞会やりませんか?

おわり

FRF'09【7.25sat DAY 2】追悼ムードのグリーンを横目に、ホワイトでXジャンプ(2度)編

日の悪天候がウソのように晴れ渡り、浸水した雨ガッパや寝袋などが一瞬で乾く。ドラゴンドラのチャンスを逃したので、ポテトマン夫婦と<グリーン>でザ・バースデイ。チバの、アベフトシへのコメントを聴き逃してしんみり。<レッド>のフューネラル・パーティーはいまいち。続く飯田マリアは、女子プロレスラーみたいな体格にげんなり。また<グリーン>に踵を返してシェウン・クティ。我々とはケタ違いの、黒人の天性のビート感ににんまり。<ホワイト>のガスライト・アンセムを尻目に、失念していた<木道亭>のファナ・モリーナ目当てでボード・ウォークを急ぐも、渋滞で間に合わずしょんぼり。<ヘヴン>のCOOL WISE MENではリクル・マイが飛び入りして場を盛り上げるが、早めに<ホワイト>へバック。「どこまでアウェイなんだあああ!!!」と叫んだ特効服姿の大槻ケンヂのMC(トイレのくだりに噴いた)を含め、シャイコーすぎた筋肉少女帯は満員御礼。Xジャンプを職権乱用した“踊るダメ人間”や、“イワンのばか”、“元祖高木ブー伝説”などなど無駄に豪華なセット・リストにN村さんもご満悦か。

その後はまったりモードで、アグロライツにて美人マイミクさんと再会したり、メルヴィンズのツイン・ドラムで踊る小学生にビビったり、<グリーン>のベン・ハーパーに後ろ髪引かれつつも、土曜、というか今年のフジ最大の目玉<レッド>のブライト・アイズへ。リハーサルで本人が歌い出すというサプライズもありつつ、ゴキゲンな様子。前回の<サマソニ’07>では、シンディー・ローパー待ちと思しき棒立ちのオーディエンスに向けて、怒り心頭のキレキレなパフォーマンスをやってくれて、それはそれでシビれたものだったが、今回は盟友マイク・モーギスと女性コーラスを含めた、コンパクトな4人編成で終始アコースティック。何度も缶ビールを呷っては、饒舌に喋りまくっていたコナーくんだったが、あの奇跡のような歌声には一片の曇りなし。“ルア”を筆頭とする名曲に次ぐ名曲のオンパレードに、隣のアメリカ人ガール(身長180cm超え)大喜びで、かなりレアで贅沢なステージだったのでは。それにしても、コーラスの女性が可愛すぎてコナーくんのリア充っぷりに嫉妬したぜ。

<グリーン>に戻ると、昨夜のオウェイシスに勝るとも劣らない大観衆が、キヨシローとの最後の祭りを味わっている。「本人のライヴも観たかったなー」と冷静に思いつつ、トータス松本の坊主姿に驚く。“JUMP”での、スクリーンのキヨシロー映像とステージの生演奏のシンクロには、本当にそこにキングがいるかのような素晴らしい演出だった。余韻を残しつつ<レッド>へと赴き、ダイナソーJr.。まあ、可もなく不可もなく。ルー・バーロウのソロに期待だな。全3回の出演がすべて<グリーン>というのも記録的なヘッドライナーのフランツを4~5曲ほど聴いて、<ホワイト>のパブリック・エネミーへ。<サマソニ'05>に引き続き、またしても「時計のおじさん」ことフレイヴァー・フレイヴにビザが降りなかったらしく、決定的な何かが欠けたステージ。とはいえ、アメリカ大統領やらキング・オブ・ポップやら過去のフジ出演ヒップ・ホップ・アーティストへの賛辞やら、メッセージ性の高いMCにはぐっときた。バック・バンドとDJもめちゃくちゃ巧いし、“ターミネーターX”ではまさかの本日2度目のXジャンプもできたし。完全体で観られたなら、本日のベスト・アクトだったのではないかと思うと、時計不在が悔やまれます。あと、チャック・Dが頑として「フジロック」とは言わずに「フジ・フェス!」と言っていたのだけど、「ロック」と呼ぶことで安易にカテゴライズしてしまうことを忌避したのだろうか? だとしたら相当かっちょいいぜ。CD、Tシャツ、DVD、アーイ。PE終了後は、<レッド>深夜のアクトには5%も興味がなかったので、<オアシス>にて大体、毎回、いつも同じメンバーと再会。「ゴアテックスって何?」と言わんばかりの着の身着のままで苗場入りした、某たまりんBOY(2日目のみ参加)と某敏腕営業マンの男前っぷりに思わずウホッ。

つづく

FRF'09【7.24fri DAY 1】アキレスもとい、オアシスと亀。浅から野ひどい豪雨で出番もCHARA 編

1日中大雨に見舞われた初日。この日はかなりのスロースターターだったため、スカパラはおろかロングウェーヴすら間に合わず、ラスト1曲を外から聞いて幕開け。しょうがないから腹ごしらえした後、<レッド>ケイジ・ザ・エレファント→<グリーン>ホワイト・ライズ→<ホワイト>エボニーと、10分単位でハシゴ。前夜祭のリベンジを果たしたエボニーは、ど派手なルックスからハイプ臭がプンプンだったものの、意外に声量があってパワフルで好感が持てた。オーディエンスごと右へ左へぴょんぴょん誘導していくやつは端から観ていても楽しかったです。でも、ギターの日本人は誰なんだ? 続いて、本日最初のエグい被りポイント、ダヴズ vs M83。とりあえずダヴズは“パウンディング”さえ聴ければいいやと思っていたので、先に<グリーン>で待機。これが大正解。4曲目あたりで早速プレイしてくれたので、ホクホク気分で<レッド>へ。しかし、その世紀の名曲ですら霞む壮絶なパフォーマンスが繰り広げられていたとは、夢にも思わなかった。M83は音源から察するに、もっと静謐でシューゲイジーなステージを勝手に想像していたのだが、アウトロでしつこいぐらいにアゲてアゲてアゲ殺すというアグレッシヴな演奏に鳥肌&悶絶。カーディガンに生デニムという、エヴァー・グリーンなアンソニー・ゴンザレスのファッションにも悶絶。おそらく、最初から観ていたら金曜のベスト・アクト。しばらく活動休止というのが勿体ないなー

その後、リリー・アレンは3回も観てるし、同じ地元のCHARAにすっぺと考えていたのだが、きゃわいい女子連中からのお誘いもありつつ、結局<グリーン>でリリーたんと一緒に中指を立てている俺。意志よえー。<グラストンベリー>でのポロリ期待な衣装ではありませんでしたが、カイザー・チーフスやブリちゃんのカヴァーもやったりで相変わらず歌上手くて良かった。周囲も外国人ばっかりで、まるで海外フェスのような光景。その勢いで<レッド>のヴァージンズをチラ見すると、ちょうど“リッチ・ガール”が。フロントマンの、「一番」と刻まれたTシャツにMOSCHINOのタオルという驚愕のハイ・ファッションにやられる。また<グリーン>に戻って、パティ・スミス御代を拝む。ギタリストとして共演した元テレヴィジョンのトム・ヴァーラインが激渋かったー。半分ほど鑑賞してから、足早に山奥へ。<ホワイト>のトイレに並びながらハナレグミを聴いていたら、ちょうどスチャダラパーのBOSEくんが飛び入り。流石にサビまではやらなかったけど、“今夜はブギー・バック”のリリックを織り込んだりして盛り上げてくれます。大名行列のボード・ウォークをなんとか抜け出して、<フィールド・オブ・ヘヴン>にて本日大本命のトータス。1曲目は、ニュー・アルバムでもっともロックしている“プリペア・ユア・コフィン”。亀の甲羅っぽいカタチのスクリーン(亀山モデル?)に映し出されたミニマルな映像をバックに、芸達者にもほどがある百戦錬磨のメンバーたちが、ドラムス、グロッケン、シーケンサーなどポジションを頻繁に変えながら緻密な亀の世界を構築していく。『TNT』からのナンバーが一番歓声が大きかったのは仕様か。バトルスほどの衝撃は無かったけど、アンコール込みの約90分間、たっぷりと楽しませて頂きました。トータス終了後、すぐお隣の<オレンジ・コート>へ。地面のぬかるみっぷりは全ステージ中最悪で、まるで底無し沼のごとく。ゴングのお爺ちゃんたちを遠巻きに眺めながら、新設された喫煙&バーエリアにてアンダーカバーのジョニオ氏とヒス北村氏、別の場所でカメラマンの新田桂一氏など、所謂『EYESCREAM』な面々を発見。

ガラガラの<ホワイト>を通過しつつ、念願のオウェイシス@苗場へ。3月の単独はスルーしたため、<サマソニ'05>ぶりだったので実は超楽しみでした。超満員の観衆の中、今回は定刻通りに表れたのだが、リアム、声全然出てないじゃん……。とはいえ、ノエル兄貴の奮闘ぶりと、「オマエらはどうせコレが聴ければ満足なんだろ?」と言わんばかりに、新譜のナンバーをほとんどやらない吹っ切れたベスト・セット・リストには、否が応でも盛り上がらずにはいられない。ポール・ウェラー師匠の飛び入りこそ無かったものの、やはり、それなりに満足してしまいました。ただ、“ドンルク”はアコースティックじゃない方が好みだな。オウェイシス終了後、スマイリー&POKIと一緒にブライアン・バートン・ルイスがステージに登場。スクリーンには「時間短縮します!」と記載されていた<オールナイト・フジ>だが、ところ天国の川(濁流っぷりが半端じゃなかった)を工事するため、今年はあえなく中止とのこと。浅野忠信のDJは気になったものの、どのみちこの天候とコンディションじゃ誰も足を運ばなかっただろうし、正しい決断だったのではないか。そんなわけで僕は一旦クルマに引き返し、カッパを乾かしつつ着替えて休憩。全身が疲弊していたため、<レッド>深夜のギャング・ギャング・ダンスをばっちり見逃す。某告学校時代の愛すべき後輩たち(高学歴)が到着したようなので、<オアシス>で合流しつつブラカ・ソン・システマで共に踊り倒す。ステージの柱によじ昇ったり、水鉄砲をオーディエンスにぶちまけたり、ピーチズらと一緒に終始はしゃぎまくっていたディプロは、見事、翌日の<パレス>でのDJをドタキャンしてくれました。なんというダメ人間。あと、<パレス>でDJやってたリリーたんも、隣の男に回してほしいディスクを渡すだけという、凄まじいスピンを披露。そして、この日一番の衝撃は、浅野&CHARA夫妻の離婚のニュースが会場内を駆け巡ったこと。タイムリーすぎて思わずベスト・アクトになりかけました。

つづく

FRF'09【7.23thu 出発~前夜祭】ちゃ~た~くんとテントでブロークバック・マウンテン 編

6月の<タイコクラブ>における、周囲のクルマから嫉妬と羨望の眼差しを一身に集めた、視線罰ドライバーとしての勇姿も記憶に新しい、さ~た~くんオーガナイズによる快適・格安バスツアーで、卑猥なカタチの新宿モード学園前から苗場スキー場までひとっ飛び。参加メンバーに上下デニム、全身タトゥー、カーリーヘアと髭フェイスというベンジーにクリソツな男性がいて、「Saturday night おまえを乗・せ・て・る~♫」と、乗せてもらっているのにそう言わんばかりのオーラに一同たじろぐ。リストバンド交換後、脱兎の如くキャンプサイトへと駆け込むも、やはり平地はすでにほとんどが占拠されてしまっている。一部、あまりにもエグい場所取りをしているクズどもがいたので、すべてのペグを、もち豚の串に差し替えてやろうかと思ったぐらいだ。小雨が降りしきる中、以前よりも慣れた手つきでテント設営が完了。しばしの休憩後、いざ前夜祭へ。もはや盆踊りや大食いバトルやお楽しみ抽選会よりも恒例となっている、「五平餅」の海苔醤油に舌鼓。うめー。店員のお姉ちゃんが今年も変わっていなくて一安心。雨が強くなってきたので花火は無いだろーと、タカをくくって<レッド・マーキー>に入った途端、怒号のような歓声と爆発音。し、しまった…。

気を取り直して本年度一発目のライヴは、ここから<フジ>閉幕後の新宿でのインストア・ライヴまで、最多出演を果たすことになる、レーヴェンのお披露目。苗場でしかありえないこの歓迎ムード。フラフープなんかも飛び出したりして超楽しい。続いてお馴染みのDJ MAMEZUKAによるベースメント・ジャックスの“グッド・ラック”を流し聞きしつつ、ライブ2番手はインスペクター・クルーゾ。ジョン・フルシアンテmeets葉加瀬太郎なルックスのG&Voがやばすぎ。超高音のファルセットから、ヘビメタばりのデス・ヴォイスまで、振り幅自在の声域とギター・リフが最高でした。合い言葉は、「Fuck the Bass Player!!!」。その後は、<グリーン>まで足を伸ばすもオウェイシスがリハなんぞやってるわけもなく、友人と落ち合うため一旦テントへ。が、勢いを増す大雨と睡眠不足にやられ、後半のAFRAとエボニー・ボーンズが気になりつつもご臨終。その後はご存知の通り、映画『剣岳』級の強風&豪雨でろくに眠ることすらできず、朝からせっせとテントの中の水分を排除。しかしここで神降臨。フジの大先輩N村様からの「場内1に停めたクルマ自由に使っていいよー」という、鶴のひとこえに甘えて、奈良のおばちゃんに急かされたわけでもないのにとっとと引っ越し! を図る俺。いくらか手伝った&新メンバー合流という事情を考慮しても、ちゃ~た~くんは少しイラッとしたはずだ(スマヌ)。それにしても、『彼岸島』の洞穴ぐらい超助かった!

つづく