metamorphose'09

外にも初参加となりました、<メタモルフォーゼ>。忘れていた残暑を取り戻すかのような厳しい暑さにやられつつも、鈍行に乗りゆったりとレイドバック気味に熱海方面へ揺られる。セバジュンを聴きながら伊豆の海を見下ろす俺、オッサレーと悦に浸っていたら、あっという間に到着。その後は知人のクルマで会場のサイクルスポーツセンターまでドライヴ。キャンプエリアに足を踏み入れたころにはすっかり日も沈み、テントがまったく上手に設営できませんでしたが、穏やかな気候と、皆既日食よりも満足度の高い完璧なフル・ムーンに照らされた場内は実に神秘的で快適でした。以下、しっぽりとレポート。

ゆらゆら帝国
寝坊&渋滞&テント設営によりまったく観られず、BGM代わり。

Bill Laswell presents METHOD OF DEFIANCE
DJ KRUSHを迎えた、ゴリゴリのヒップでホップなステージ。アジテーション最強。

NUJABES featuring UYAMA HIROTO
<プラネット・ステージ>が遠い上にマジで人大杉。姿すらほとんど確認できず。

GAISER
<ルナー・ステージ>がこれまた超遠い・・・。ありものの施設を使っているため、元々雨天時の逃げ場が多いメタモですが、唯一の完全屋内ステージ。湿気ムンムンで熱すぎ。どんなDJプレイだったかはまったく覚えてない。

TANGERINE DREAM
2009年度の夏フェス最大の事件となった、約25年ぶりのまさかの再来日。オーディエンスの平均年齢をぐっと押し上げた張本人である彼らのフル・セットのライヴは、<フジロック>のホワイト・ステージにも通ずる敏腕PAによる上質サウンドや、レーザービームとスモークの演出も手伝って、まるで大作SF映画のような壮大なスケール。曲名なんてまったく知らないが、大いに楽しませてもらいました。黙々とシーケンサーやキーボードをいじり続けるエドガー・フローゼ御代もヤバいが、ライト・ハンドからスライド、超絶アルペジオまで駆使するセンターのギタリストもヤバい。そしてさらにヤバかったのが、後方に陣取った金髪姉ちゃん2名。左の女性はシンセと管楽器担当で、時折ステージ前方まで出て来て哀愁たっぷりのクラリネットを奏でたりする。過剰装飾の帽子に、キラキラとスパンコールがあしらわれたサイバー・ゴシックなドレス(もちろん、全身黒)を纏ったそのお姿は、メーテルか魔女か貴婦人か? といった塩梅で、この世のものとは思えない神々しさ。方や右の女性は、ハーレーの似合いそうなタイトな服装で、電子ドラムからコンガなど打楽器全般をパワフルに叩きまくっていた。ちなみにこちらの女性、出番終了後は会場のあちこちで目撃したのだが、翌朝7:00台のスミス&マイティの時にもガッツリ踊っていたのでビックリ。元気すぎ(笑)。

PREFUSE 73
タンジェリンのアンコールが盛り上がり時間も押していたので、ジャイルスは諦めてそのまま<ソーラー・ステージ>で待機。当然、最前列ゲット。が、しかし。出演発表時には「待望のバンド編成でっせ!」とアナウンスされていたから超期待していたのに、ステージに運びこまれたのはMacやMPCなどお馴染みの機材が載ったテーブル1台のみ。メンバーはスコット・ヘレンとサポートの2名だけで、バンドはおろかVJすら無しのシンプルなセット。なんだか安く仕上げられちゃったなーとは思ったが、さすがにカッコよかったですよ。ブルーの半袖シャツにビーニーと眼鏡といういつも通りのスタイルで、常にマイクを片手にヴォイス・エフェクトかけまくり。新譜の『Everything She Touched Turned Ampexian』を中心に“Beaten Thursdays”など過去のナンバーもカットインしつつ、なんと、コーネリアスの“Gum”を投下したのにはビックリ。好きだったのね。情報量過多で濃密な1時間ではあったが、この規模なら3月のプロモーション来日時にTOKYOオンリーでプレイしてくれれば良かったのに。<エレクトラグライド>で帰って来てもらって、バトルスのジョン・ステイニアーとの共演を熱望します。

RICHIE HAWTIN(MINUS, Berlin) visuals by ALI DEMIREL
ド派手なSEと共に降臨したリッチー。フルでは観ていませんが、原点回帰を思わせる徹底したミニマルづくしのセットだったらしい。“スパスティック”でスコパコしたかったー。

'DJ AFRIKA BAMBAATAA'
こちらも10分ほどしか観ていませんが、MJからJBからオールド・スクールのHip-Hopまで、ベタながらもアゲアゲのセットだったご様子。

MOODYMANN aka Kenny Dixon Jr
センス良過ぎ。あいつ絶対に中身黒人だろ(失礼。黒人でした)、というぐらいソウルでファンキーなセット。<フジ>で観たサニーJと同じくらいの、ブラック・ミュージックへの造詣と愛情を感じた。

LOTUS
ドタキャンのSTS9の代打でホームランどころか、MVPクラスのパフォーマンス。インスト好きにはたまらん。「オーガニック・アンビエント・トランス・ファンク」って、言い得て妙ですね。日本のROVOよりもよっぽどトランスできたし、徐々に月明かりから太陽光に切り替わる早朝の時間に、ばっちりハマっていました。次回は<フィールド・オブ・ヘヴン>のトリを!

SMITH & MIGHTY
ブリストル音楽の信者は絶対にマストでしょう! と第1弾の出演発表時から楽しみだったものの、富士山すらクッキリと拝めるピーカン空に雰囲気がマッチせず、いまいち。<TAICOCLUB>でのマトモスみたいなアクトは、明るい時間帯でも合ってたんだけどね。ビースティーの使い方とか、さすがに上手かったけど、椅子に座って子守唄代わりにうたた寝。最後まで観ずにソーラーに戻ってしまいましたが、ラストの怒濤の名曲オンパレードが大変素晴らしかったらしい。しくじった。

REI HARAKAMI
やはり『あさげ』中心のセットだったのでしょうか? 半分ほど聴いて、テントを撤収して退場。

それにしてもメタモ、ステージ間の移動といい、近辺の街といい、何でこんなに坂と階段が多いんだ・・・。楽しかったけど、滅茶苦茶疲れましたよ。

総括しますと、<タイコ>ほどの快適さは無いもののブッキングは毎年素晴らしいし、一部のキチ●イを除けば客層も悪くない。徹底したデポジット・システムの効果もあってか、ゴミ箱の少なさに対して地面に散乱したゴミもそれほど気にならなかった。スタッフの人数も最小限だったし、メインの<ソーラー>のステージと柵の間にはセキュリティすらいない(まあ、ポリスは数名いたけど)。これは10年もやり続けたからこそ、主催者とお客さんとの信頼関係がきっちり構築されている証拠なんだろうなあ。余計な出費を減らせば、その分、より豪華なアーティストを呼べるわけですからね。最近、お塩テンテイや海苔P事件もあってか、世間では「野外フェス」「野外レイヴ」を悪しき存在として槍玉に挙げる傾向が窺えるけども、そういったイベントに行ったこともない、何も分かっていないメタボルフォーゼなオッサン&オバハン共がほざくなっつー話だよね。タンジェリン・ドリームのためだけに、あの日、たった1人で若者だらけの会場に迷い込んだ、プログレ・オタクのおじさん達の方が、よっぽど健全だと思います。というわけで、MAYURI様、来年も期待しております。

2 comments:

  1. ムーディーマンは黒人だよ。

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  2. 事実誤認、失礼しました。アー写がよく分からんので、勝手に白人だと思ってました。

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