凛としてNK


5/4は、なんとあの凛として時雨が、我が幼少時代の所縁の地NKのライヴ・ハウス「Hearts」の、オープン10周年記念イベント<ピエールナイト>に出演するっていうことだったので、しれっと行ってきましたよ。チャリンコで。とはいっても、Heartsが大宮からNKに移転してきたのがほんの1年前なので、彼らがアマチュアの頃にバリバリ通っていたのは大宮時代のこと。なんで、NKでライヴするのは恐らく初めてだったのではないかな? NKでTK!! これが凛とせずにいられるわけがない。

トップ・バッターのArchery Sound Systemは、旧メンバー(現在子持ちキャメラマン)と同じバイトだったという繋がりこそあったものの、ライヴは初体験。Vo&Gのフロントマンに、DrとB。そして両サイドにG&Keyが2名というレディオヘッド並みのバンド編成ながら、鳴らす音楽はU2やデペッシュ・モードを経由してアンダーワールドに着地するという、レトロフューチャーな趣きを感じさせるダンス・サウンドでした。音の抜けも抜群。近年、サカナクションやテレフォンズなど、日本国内でもシンセを積極的に導入しているバンドが注目されているので、必殺の1曲があれば化けるかも。時折、ピアノの旋律からジャズまで咀嚼していることが窺えたりして、振り幅の広さにビックリ。でも、ヴォーカルの声がちょっと175R似なのが気になる…。

続くTRIBAL CHAIRは、埼玉界隈のエモやハードコアのシーンでは知らぬ人はいないほどのベテラン。韓国ツアーを経験し、大阪の野外フェス<RUSH BALL>にも出演を果たすなど、人気と実力は金箔入りの折り紙つきです。Voのヒロキさんとは、縁あって昨年の<フジロック>へ一緒に行ったりもしていたのですが、これまたライヴを観るのは初体験。お世辞抜きに、ホントに巧いですね、このバンド。パワーもスピードもスタミナも桁違い。G&Choの2名があれだけ好き勝手やっているようでも、リズム隊が磐石過ぎるゆえ、アンサンブルには寸分の狂いなし。後半は若干の息切れ感も否めなかったですが、前方の時雨待ちと思われるオーディエンスにも、しっかりと拳を上げさせるアジテーションはお見事。こりゃイアン・マッケイ並みにタバコとドラッグとアルコールと快楽目的のS.E.X.を断絶してもらって、BRAHMANを超えてもらわないといけませんね。ちなみに、4月より日テレにて放送が始まった『蒼天航路』のオープニング・ソングに“909”が大抜擢されていますので、そちらも要CHECK!(エンディングはORGE YOU ASSHOLE)

3番手heはまったく観ていません、すいません。物販のデザインはかわいかった気がします。

そして、この日のヘッドライナーを飾った凛として時雨が満を持して登場。昨年のフジロック2日目、朝イチのホワイト・ステージでの熱演も素晴らしかったですが、今回も当然凄まじかった。サウンド・チェック中、垂れ幕の向こうから漏れ聞こえてくる怒濤のドラミングからして期待値は鰻上りでしたが、我々の想像を遥か斜め上ゆく脅威で狂気で凶器の数十分。新曲“JPOP Xfile”を含むコンパクトながらアゲアゲのセット・リストに、早くもロッキンオンなモッシュ・ゾーンがインスタントに完成。TKと345のヴォーカルも絶好調だったように思えるし、<ピエールナイト>と銘打っているだけあって、ピエール中野氏のテンションが半端じゃない。MCで「X JAPANの2DAYS行ってきましたー」と公言していただけに、YOSHIKIのGF(ガーディアン・フォース)が憑依したのでしょうか、思わず最寄りの接骨院にコルセットを調達しに行ってあげたくなる激烈猛打っぷり。3ピース・バンドでこの演奏力と表現力は、ミューズやプラシーボあたりにも匹敵するというか、文句無しで世界最高峰のレベルだと断言できます。

「個人的に思い出深いところがあるので、今日は最後に、無理言ってこの曲をやらせてもらって終わりにしたいと思います!」「サッカー好きに捧げます」とのMCの後にラストを締めくくった超レア曲“Sergio Echigo”の、終幕におけるTKのギターソロはもはや芸術の域。歌舞伎町、すすきのに次ぐエロティック・シティNKだったためか、TKの指先もどこか官能めいた妖艶さを漂わせていた、のかどうかは知らない。惜しむらくは、ステージ位置がやや低かったため、肝心のTKの手元と中野氏の姿がほとんど確認できなかったこと。まあ、もちろん満足ですが。今やキャパ2,000超えのZEPP TOKYOやSTUDIO COASTを即完させる彼らを、こんな小さなハコ(しかもジモト)で拝めたという僥倖にただひたすら感謝し、闇夜に対峙して凛とするしかあるまい。

2009.05.04 ピエールナイト

1.鮮やかな殺人
2.DISCO FLIGHT
3.想像のSecurity
4.JPOP Xfile
5.nakano kill you
6.Telecastic fake show
7.Sergio Echigo

GW最終日6日は、西新宿の廃校フェスで廃人になる予定です。
行かれる方は共に凛としましょう。

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